「住宅宿泊管理業者への委託費用が利益を圧迫しないか不安」
「おすすめの住宅宿泊管理業者やサービスと料金が知りたい」
「管理委託費用を安く抑える方法はないのかな?」
住宅宿泊管理業者への管理委託は、民泊運営を効率的に行うための便利な方法です。また、家主が常駐していない「家主不在型」の場合、適正な民泊運営のために民泊新法で管理委託が義務づけられています。
しかし、住宅宿泊管理業者への管理委託にはどのくらいの費用がかかるのかわからず、不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、住宅宿泊管理業者の費用について以下の内容を解説します。
業務別の委託費用を具体的なサービスと合わせて紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
【完全代行】住宅宿泊管理業者の費用相場【売上の20%】
「完全代行」とは、すべての管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する方法を指します。完全代行の費用相場は「売上の15~20%+清掃料金」です。
例えば、管理費用が売上の20%、清掃料金1回5,000円の管理業者に依頼した場合の費用は、以下のとおりです。
完全代行の場合、売上の半分以上の費用が管理委託に必要になります。ただし、完全代行は、住宅宿泊管理業者が日常的な業務をすべて行うため、民泊運営の手間は大きく削減できます。住宅宿泊管理業者が行う主な業務は、以下の表を参考にしてみてください。
業務 | 内容 |
予約・問い合わせ対応 | 予約サイトなどを通じた宿泊予約や問い合わせへの対応 |
ゲストの対応 | 鍵の受け渡し、チェックイン、緊急時問い合わせ対応 |
清掃・衛生管理 | 部屋の清掃、消耗品の補充、リネンクリーニングなど |
周辺住民からの苦情対応 | 騒音などによる周辺住民からの苦情対応 |
宿泊者名簿の作成 | 宿泊者名簿の記入、保管 |
また住宅宿泊管理業者によっては、契約時に20,000~30,000円程度の初期費用が必要な場合があります。
住宅宿泊管理業者に委託できる業務について詳しく知りたい方は、関連記事「【必見】住宅宿泊管理業者へ委託できる5つの業務!費用相場や委託方法について解説」をあわせてご確認ください。
【部分代行】住宅宿泊管理業者の業務別の費用相場
「部分代行」は、管理業務の一部を委託する方法です。現在、一部の管理業務の代行や、専門的な運営サポートを受けられるサービスが数多くあります。以下の表は、業務・サービス別の費用相場です。
業務・サービス | 費用相場 |
届出代行 | 100,000~300,000円 |
メッセージ対応代行 | 15,000~30,000円/月または売上の10% |
予約サイト用写真の撮影 | 20,000~50,000円/件 |
予約サイトの登録 | 20,000円~/件 |
鍵の受け渡し(スマートロック) | 3,000~10,000円/件 |
チェックインサービス | 3,000~5,000円/件(初期費用15,000円~) |
緊急時対応 | 5,000円~/出動(年会費25,000~) |
ハウスマニュアルの作成 | 20,000円~/件 |
清掃 | 3,000~12,000円/回 |
コンサルティング | 15,000~200,000円 |
インテリアコーディネート(提案のみ) | 8,000~15,000円 |
「スマートロック」や「チェックインサービス」の利用は、月額3,000~5,000円程度ですが、毎月の固定費になります。一方「予約サイトの登録」「写真撮影」などは、20,000円程度かかりますが、民泊立ち上げ時のみの費用です。
管理業務の一部を担ってくれるサービスは数多くあるので、民泊の管理方法を具体的に検討する中で、必要なものを活用してみると良いでしょう。
自身で業務を請け負い管理委託費を抑えることは可能
管理委託費用を安く抑えるために、一部の業務をホスト自身で担うことが可能です。例えば、月10回ある清掃をホスト自身で担えば、5~6万円程度の経費節減につながります。
ただし「家主不在型」の民泊の場合、ホスト自身が一部の業務を担うには、以下の2つの手続きが必要です。
ホストが常駐していない「家主不在型」では、完全代行が義務づけられています。管理の一部だけを委託し、他の業務をホスト自身が担うことは法律で認められていません。そのため、まず住宅宿泊管理業者に完全代行で管理業務を委託した上で、一部の業務をホストに再委託してもらう必要があるのです。
業務時間の確保やサービスの質の担保ができる場合は、自身で一部の業務を担うことを検討してみてください。
【対応業務別】おすすめの民泊運営サービス・費用
民泊運営サービスは数多くあるため、おすすめのサービスを知りたいという方は多いのではないでしょうか。こちらでは、対応業務別におすすめのサービスと費用を紹介します。
一つひとつ見ていきましょう。
1. おすすめの完全代行サービス
「完全代行サービス」を提供している事業者は、国土交通省への登録が義務づけられた「住宅宿泊管理業者」です。「完全代行」に対応したおすすめのサービスは、以下の5つです。
サービス名 | 費用 | 特徴的なサービス |
弊社サービス | 収容人数x1.1万円+清掃料金 | 5カ国語対応、物件紹介(東京・大阪)、コンシェルジェサービス、トラブル緊急対応、予約サイト用の写真撮影、インテリアコーディネート、届出事務代行、家具発注・設営 ※一部別途費用追加 |
faminect | 総売上の20%+清掃料金 | 8カ国語対応、コンシェルジュサービス、トラブル現地対応 |
Minpak | 総売上の20%+清掃料金+初期費用 | 物件紹介(東京・大阪)、予約サイト用の写真撮影 |
AIR HOST | 総売上の15~20%+清掃料金+初期費用 | 自社システムの提供、インテリアコーディネート、行政書士サポート |
カソク | 総売上の20%+清掃料金 | 届出事務代行、家具発注、写真撮影、5言語ネイティブスピーカーでの対応 |
民泊管理バンク | 9,800~19,800円/月+初期費用 | 宿泊者名簿作成業務以外すべてをホストに再委託 |
総売上に対する割合で計算する基本料金のほか、初期費用が必要なサービスが複数あります。初期費用には「チェックインシステムの初期設定」や「予約サイトへの登録」などが含まれています。
こちらで紹介したサービスは、すべて全国対応です。ただし、清掃業務は近隣の専門業者に依頼するため、民泊物件の立地によっては対応できない場合があるため注意が必要です。
それぞれのサービスでは、基本的な民泊管理業務のほか、特徴的なサービスを提供しています。例えば、民泊事業の立ち上げをサポートするサービスとして「物件紹介」や「届出事務代行」、サービスの質を高めるための「インテリアコーディネート」や食事やタクシーの手配までしてくれる「コンシェルジュサービス」などが挙げられます。
「民泊管理バンク」は、宿泊者名簿作成以外のすべての業務を、ホストに再委託するサービスです。家主不在型民泊の管理業務をホスト自身で行うことで、管理委託費用を大幅に削減できます。
完全代行での委託費用について詳しく知りたい方は、関連記事「【徹底解説】住宅宿泊管理業者の費用相場は「売上の20%」業務別の料金を紹介」をあわせてご確認ください。
弊社サービスではほぼ全ての業務に対応可能でいて、月額費用にて対応可能です。詳しくは「東京都内・豊島区内の住宅宿泊管理業者ならアルゴレン」をご覧ください。
2. おすすめの清掃代行サービス
民泊運営において清掃は、時間がかかる上に、質を保つことが難しい業務です。清掃代行サービスを利用する場合は、民泊物件の所在地を対応エリアにしている業者を探す必要があります。以下の表は、大都市圏の民泊清掃サービスを提供している主な業者です。
サービス名 | 費用 | 対応エリア |
CatHand | 5,000円(1LDK)~ | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一部 |
クリーンビー | 3,500円(29㎡以下)~ | 大阪府の一部 |
E.I | 5,500円(1R/1K)~ | 愛知県の一部 |
おへやキラリ | 3,500円(1R)~ | 福岡県の一部 |
TRUST CLEAN | 5,000円(30㎡以下)~ | 沖縄県の一部 |
清掃料金は、部屋の大きさによって異なります。8畳程度の1LDKの場合、3,500〜5,500円程度が相場です。ただし、ベッドのシーツやタオルなどのリネンクリーニング代は別料金です。
3. おすすめの鍵受け渡しサービス(スマートロック)
鍵の受け渡しサービスは、ゲスト自身で解錠できる「スマートロック」の利用が一般的です。スマートロックとは、事前に通知した暗証番号で解錠できるサービスです。スマートロックを利用すれば、鍵受け渡しの立会いが不要な上、鍵の紛失のリスクがありません。
おすすめのスマートロックサービスは、以下の3つです。
サービス名 | 費用 | サービス内容 |
RemoteLOCK | 5,500円/月 | Airbnbと連携し予約に合わせて解錠キーを自動発行(工事必要) |
keyvox | 4,583円/月 | デジタル・アナログどちらにも対応(工事不要) |
カギカン | 5,900円~/月 | スマホアプリで解錠(工事不要) |
スマートロックはレンタルでの利用が一般的で、月額5,000円程度です。スマートロックを選ぶ際には、サービスによってドアや鍵の形状に制限がある点に注意しましょう。
4. おすすめのセルフチェックインサービス
セルフチェックインサービスは、タブレットなどを利用してゲスト自身でチェックインできる仕組みです。
民泊のチェックインは、宿泊者名簿の記入だけでなく、パスポートの確認や本人確認など煩雑な業務があります。セルフチェックインサービスではタブレットを活用して、パスポートの写真撮影やビデオ電話での本人確認が可能です。
主なセルフチェックインサービスは、以下の3つです。
サービス名 | 費用 | 特徴 |
Bookin | 3,000円/月+初期費用 | 宿泊者全員分の台帳登録機能 |
ABCチェックイン | 2,980円~/月 | スマートロックサービス「RemoteLOCK」との連携、初期費用無料 |
minpakuIN | 5,000円/月+初期費用 | 各種スマートロックとの連携、現地決済機能 |
セルフチェックインに使用するタブレットのレンタル費用は、月額料金に含まれています。また、月額費用に加えて、セルフチェックインサービスの初期設定の料金がかかるサービスがあります。
エリア別の住宅宿泊管理業者の調べ方について詳しく知りたい方は、関連記事「【保存版】住宅宿泊管理業者のエリア別一覧の調べ方とおすすめ10選を紹介」をあわせてご確認ください。
住宅宿泊管理業者への委託は運営形態と費用に応じて検討しましょう
住宅宿泊管理業者への管理業務の委託は、民泊の運営形態や負担可能な費用を踏まえて検討することが大切です。民泊の運営形態の面では「家主居住型」と「家主不在型」で、管理業務委託の考え方が大きく異なります。
「家主不在型」の場合は、完全代行が義務付けられているため、住宅宿泊管理業者への委託が前提です。一方で「家主居住型」の場合は、運営方法の考え方次第で「完全代行」または「部分代行」を選択できます。
ただし「家主不在型」であっても、住宅宿泊管理業者から一部の業務を再委託してもらうことで「部分代行」のように管理業務を行うことは可能です。一方で「家主居住型」と「家主不在型」では、管理委託を検討する際の前提が大きく違うことを理解しておきましょう。
費用面では、民泊施設の稼働状況や売上に応じて委託方法を検討することが必要です。民泊立ち上げには、予約サイトへの登録やインテリアなどへの初期投資は必要ですが、過度な投資にならないように注意しましょう。
管理業務委託費用は決して安くはないため、自身の民泊に合った方法をぜひ検討してみてください。
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