「Airbnbは手数料は他の予約サイトに比べて高いのかな?」
「Airbnbの運営コストを下げるための方法を知りたい」
「Airbnbはライバルが多いって聞いたけど本当?」
Airbnbは、世界191カ国で利用されている大手OTA(オンライン宿泊予約サービス)です。民泊をこれから始める方の多くは、Airbnbでの集客を考えているのではないでしょうか。しかし、Airbnbは儲からないという声も多く聞かれます。
そこで、この記事では、Airbnbについて以下の内容を解説します。
- Airnbnbが儲からないと言われる理由
- Airbnbで儲けるためのポイント
- Airbnb運営に必要な費用
- Airbnb運営の収支シミュレーション
Airbnbで儲けるためのポイントを紹介しているので、民泊初心者の方はぜひ最後までお読みください。
Airnbnbは儲からないと言われる3つの理由
こちらでは、まずAirbnbがなぜ儲からないと言われるのかの理由を解説します。
- 手数料がかかる
- 競争が激しい
- ゲスト対応に手間がかかる
一つひとつ見ていきましょう。
1. 手数料がかかる
Airbnbが儲からないと言われるのは、手数料がかかるためです。Airbnbを通しての予約には、宿泊料金の15%が手数料としてかかります。Airbnbを介さずに集客できれば、手数料がかからないため、利益率を圧迫すると捉えられているのです。
またAirbnbの売上金の受け取りには、銀行振込の場合を除き手数料がかかります。PayPalで受け取る場合には、為替手数料として「2.5%」、受け取り手数料として「3.9%+ 40円」の費用が必要です。
ただし、Airbnbの手数料は他のOTAと比べて極端に高いわけではありません。以下の表は、代表的なOTAの手数料の一覧です。
OTA | ホスト支払い手数料 |
Airbnb | 15% |
Vrbo(旧・Homeaway) | 5%(ゲスト手数料約11%) |
adoda(アゴダ) | 12%(国内向け:9%) |
Booking.com(ブッキングドットコム) | 12% |
STAY JAPAN(ステイジャパン) | 無料(確認してからの承認:3%) |
楽天バケーションステイ | 3% |
手数料の低いOTAは「主に日本人旅行者向け」または「ゲストから手数料を徴収する仕組み」で運営しています。Airbnbは世界中からの集客ができるため、15%の手数料負担は決して高くないとは言えるでしょう。
OTAの手数料について詳しく知りたい方は、関連記事「【2023年最新】民泊向けOTAの6サイトを手数料で比較!特徴や集客のポイントを解説」をあわせてご確認ください。
2. 競争が激しい
Airbnbは物件間での競争が激しく、集客面から儲からないと言われます。日本国内のAirbnbに登録している物件数は、コロナ禍前の2019年に発表された数値では4万件を超えています。特に、東京都や京都府などの外国人観光客の多いエリアには、民泊物件が集中しているのが現状です。
ゲストは一般のホテルや旅館と比べて民泊に安さを求めるため、価格競争に陥りがちです。価格競争に巻き込まれると、仮に集客できたとしても利益を残すことが困難になります。
またAirbnbでは実績のあるホストが「スーパーホスト」として、検索表示などの面から優遇されているため、新規参入事業者が集客することは簡単ではありません。新規参入業者が集客を成功させるには、立地など様々な工夫が必要です。
3. ゲスト対応に手間がかかる
Airbnbの運営面での課題は、ゲスト対応に手間がかかることです。Airbnbのゲストの多くは外国人観光客であるため、日本人ゲストに比べて対応に手間取ることは多々あります。
文化の違う外国人観光客の受け入れには、問い合わせ対応の体制や外国語での施設利用の説明などが必要です。具体的には「予約時や滞在中の問い合わせは代行業者に委託する」「事前にオンライン上で閲覧できるウェルカムブックを用意する」などの方法が考えられます。
Airbnbで儲けるためのポイント7選
Airbnbで利益を出すには、民泊の物件選びや運営方法のポイントを抑える必要があります。こちらでは、Airbnbで儲けるための7つのポイントを解説します。
- 自己所有物件で営業する
- 複数人で宿泊できる部屋を使う
- 需要のあるエリアで営業する
- 管理業務をできるだけ自身で行う
- 初期投資を抑える
- 独自サービスで差別化する
- 損害に備える
すべてを満たすことは簡単ではありませんが、ポイントを考慮して物件選びや運営方法を検討してみてください。
1. 自己所有物件で営業する
民泊は自己所有物件を活用できれば、家賃がかからない分、利益率が高くなります。民泊の需要の高い地域では家賃が高額になる事が多いです。売上の多くが家賃に充てられるため、利益率の悪化につながります。
自身の生活環境上の問題がなければ、自宅の空き部屋の活用が最も多くの利益を残せる方法です。自宅を活用した場合、ゲスト滞在時の管理業務を外部業者に委託する必要がないため、家賃以外の経費も大幅に抑えられます。
2. 複数人で宿泊できる部屋を使う
Airbnbで利益を上げるには、複数人で利用できる部屋を準備すると良いでしょう。日本政策投資銀行の調査では、民泊の1人での利用は1割程度で複数人の利用が一般的です。
ワンルームマンションを利用した民泊は、多くの需要が見込めないだけでなく、単価が低くなります。マンションを利用した場合であっても、2LDKなど複数人での利用ができる部屋を選びましょう。
3. 需要のあるエリアで営業する
Airbnbの物件選びでは、立地を重視する必要があります。Airbnbのゲストは外国人観光客が大半であるため、駅や観光地が近いなどアクセスが重要です。
車でしか行けない場所や近くに観光地がない立地では、大きな需要は見込めません。これから民泊を始める方は、需要が見込める地域の中で物件を探しましょう。
4. 管理業務をできるだけ自身で行う
Airbnbの利益率を上げるためには、管理業務をできるだけ自身で行うことが大切です。代行業者に管理・清掃業務を一括して依頼する場合、売上の20〜30%程度の費用がかかります。管理業務の一部であっても自身で担えれば、大きく支出を抑えられます。
ただし民泊新法に基づいた営業を行う場合、自身が常駐できない物件は「家主不在型」と言われ、管理業務の委託が義務付けられている点に注意が必要です。自身で管理業務の一部を担う場合には、代行業者から再委託として業務を戻してもらう手続きをしなければなりません。
民泊の管理方法について詳しく知りたい方は、関連記事「【初心者必見】民泊の管理方法は2通り!委託が必要なケースと自分で行う方法を紹介」をあわせてご確認ください。
5. 初期投資を抑える
Airbnbは物件に過度の初期投資をすると、資金の回収に時間がかかるため儲かりません。部屋のリフォームや家具・家電に資金をかけすぎないように注意しましょう。
ただし、消防設備の設置など法律で定められた設備への投資は避けられません。「民泊運営に必要な整備」と「資金に余裕があれば行う投資」を明確にして、メリハリのある初期投資を行うことが大切です。
6. 独自サービスで差別化する
Airbnbの集客には需要のある立地や物件の広さだけでなく、独自サービスで差別化ができると良いでしょう。例えば、多額の投資をしなくても、以下のような工夫が考えられます。
- 子ども用の食器やおもちゃの用意
- 駅までの送迎サービスの有料での提供
- ドリンク1本サービスの提供
- 次回割引クーポンやVOD視聴環境の提供
子連れのファミリー向けなどのコンセプトを明確にして、独自サービスのアイデアを考えてみてください。
7. 損害に備える
Airbnbで安定して利益を上げるためには、損害への備えを忘れずに行いましょう。民泊運営では「ゲストの過失で物を壊してしまった」「騒音で第三者に損害を与えてしまった」などのトラブルへの備えが必要です。
また、自身の不備でゲストに怪我を負わせてしまうこともあります。Airbnbでは予約客すべてに自動的に適用される「日本ホスト保険」を活用できます。
しかし、ゲストによる損害は、物を壊した場合などの物損のみが対象です。火災や第三者への損害賠償は、対象になっていません。民泊のあらゆるリスクに対応するには、民泊専用保険に別途加入しておくと良いでしょう。
民泊の保険について詳しく知りたい方は、関連記事「【解決策あり】民泊では住宅用火災保険は適用されない【おすすめ保険4選を紹介】」をあわせてご確認ください。
Airbnb運営に必要な費用
Airbnbの運営を行う上では、あらかじめ収支計画を立てておきましょう。こちらでは、収支計画を立てる際の参考に、民泊運営に必要な費用を解説します。
- 初期費用
- 運営費用(ランニングコスト)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 初期費用
Airbnbの初期費用としては、以下の表の3項目が必要です。
項目 | 目安金額 | 備考 |
賃貸の初期費用 | 家賃の2~3ヶ月分 | 賃貸物件の場合の敷金・礼金 |
設備費用 | 30~50万円 | 家具、家電、消防設備等 |
申請代行費用 | 20~40万円 | 申請代行業者への委託費 |
初期費用は、物件の形態やどの程度の設備投資が必要であるかによって変わります。また申請代行費用は、自身で手続きを行えば不要です。ただし、許認可の申請に必要な平面図や立面図の作成など、専門業者への依頼が必要な書類もあります。
2. 運営費用(ランニングコスト)
Airbnbの手数料、管理・清掃委託料金を合わせると売上の40%程度が必要です。その他、家賃を含む固定費が7.5~13.5万円程度かかると想定しておくと良いでしょう。内訳は、以下の表を参考にしてみてください。
項目 | 目安の金額 | 備考 |
家賃 | 5~10万円/月 | 賃貸物件の場合の家賃 |
水道光熱費 | 1.5~2万円/月 | 水道、電気、ガス |
インターネット料金 | 5千円/月 | Wi-Fi利用料 |
消耗品費 | 5千~1万円/月 | アメニティ類 |
Airbnb手数料 | 売上の15% | 集客費用 |
管理委託費 | 売上の20% | すべての管理業務を委託した場合の費用 |
清掃料金 | 3千~1.2万円/回 | 清楚業務の代行費用 |
Airbnbの手数料と管理・清掃の委託費は、宿泊利用があった場合に必要になる費用です。しかし家賃などは、宿泊利用の有無にかかわらず毎月固定でかかる点に注意しましょう。
民泊運営の費用について詳しく知りたい方は、関連記事「【保存版】民泊運営にかかる9つの費用!始め方を5ステップで解説」をあわせてご確認ください。
【物件・運営形態別】Airbnb運営の収支シミュレーション
これから民泊を始める方は、収支のイメージがなかなかつかないという方も多いでしょう。こちらでは、物件・運営形態別に4つのケースでの収支シミュレーションを紹介します。
- 賃貸物件(家主不在型)・委託費40%の場合
- 賃貸物件(家主不在型)・委託費20%の場合
- 自己所有(家主不在型)・委託費40%の場合
- 自己所有(家主居住型)・委託費15%の場合
委託費は「Airbnb手数料」「代行費」を合わせた金額を指します。それぞれのケースでは「1泊8千円・月15日集客・売上12万円」を前提とし、費用は前章で紹介した数値を用いて計算しています。
1. 賃貸物件(家主不在型)・委託費40%の場合
賃貸物件で管理業務を完全代行した場合は、利益を出すことは簡単ではありません。以下のシミュレーションでは、3千円の赤字になりました。
項目 | 金額 |
Airbnb手数料 | 1.8万円 |
代行費 | 3万円 |
固定費 | 7.5万円 |
利益(売上12万-経費) | -3千円 |
管理業務の完全代行が必要な場合、家賃など「固定費をいかに抑えられるか」がポイントです。
2. 賃貸物件(家主不在型)・委託費20%の場合
管理業務の一部を自身で担うなどして委託費を20%に抑えたケースでは、2.1万円の利益を残して黒字になりました。
項目 | 金額 |
Airbnb手数料 | 1.8万円 |
代行費 | 6千円 |
固定費 | 7.5万円 |
利益(売上12万-経費) | 2.1万円 |
利益2.1万円は、利益率に換算すると17.5%です。1泊の単価を上げるなど売上額を大きくできれば、まとまった金額の利益が生まれる可能性があります。
3. 自己所有(家主不在型)・委託費40%の場合
家賃のかからない自己所有物件の場合、利益は大幅に増えて4.8万円と算出できました。
項目 | 金額 |
Airbnb手数料 | 1.8万円 |
代行費 | 3万円 |
固定費 | 2.5万円 |
利益(売上12万-経費) | 4.8万円 |
固定費は、賃貸物件では7.5万円で計上していましたが、自己所有物件では家賃分を減らし2.5万円で算出しました。自己所有物件は管理を完全代行で行ったとしても、賃貸に比べて大幅に利益を残せます。
4. 自己所有(家主居住型)・委託費15%の場合
「自己所有物件で家主居住型の運営を行う」とは、自宅の部屋を民泊として活用する方法を指します。自宅を利用すれば、委託費をAirbnb料金(売上の15%)のみに抑えられます。自宅は家賃もかからないため、50%を超える利益率を確保できるでしょう。
項目 | 金額 |
Airbnb手数料 | 1.8万円 |
代行費 | 0円 |
固定費 | 2.5万円 |
利益(売上12万-経費) | 7.7万円 |
自宅の利用が最も多くの利益を出せる方法です。自身の生活環境に問題がなければ、自宅の利用を検討してみてください。
Airbnbは儲からないと悩む前に家賃や管理コストを抑える方法を考えよう
Airbnbが儲からないと言われる理由は、手数料や集客の難しさなどが理由です。しかし、Airbnbの手数料は他のOTAと大きく違わないため、家賃や運営コストの工夫で利益を出せます。
収支のシミュレーションを具体的に行い、どのようにすれば利益を残せるのか考えてみてください。
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