【これで解決】民泊のトラブル事例5選と3つの対策【相談先も3つ紹介】

「民泊を始めたいけど近所から苦情が来たらどうしよう」

「部屋を汚されたり物を壊されたりしないか心配」

「民泊でトラブルがあった場合はどこに連絡すれば良いの?」

民泊には国内外問わず多くの宿泊客が訪れるため、思わぬ苦情やトラブルが発生します。トラブルが起きた場合の対処法がわからないと、民泊を始めるのが不安になりますよね。

適切に対処すればすぐに解決できるトラブルが多いですが、専門家への相談が有効なケースもあります。そこでこの記事では

について解説します。実際のトラブル事例と対策法がわかり、迅速な対応ができるようになる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

目次

民泊の物件数とともにトラブルが増加している

minpaku(民泊制度ポータルサイト)は2022年10月に、住宅宿泊事業法における届出状況の推移を発表しました。調査の結果、届出住宅数が18,206件、事業廃止件数は13,426件でした。届出件数の詳細数値は以下のとおりになります。

届出件数事業廃止件数届出住宅数
都道府県10,2442,6267,618
保健所設置市10,9375,8485,089
特別区10,4514,9525,499
合計31,63213,42618,206

参照元:民泊制度ポータルサイト「minpaku」|住宅宿泊事業法の施行状況

届出件数合計が31,632件で、住宅宿泊事業法の施行年である2018年から2022年10月時点で約14倍増加しました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で民泊需要が減少した時期もありましたが、徐々に復活している傾向にあります。

一方で、民泊需要の回復と同時にトラブル件数の増加が予想されます。これからの民泊運営者は、事前対策を徹底することでトラブルを未然に防ぐことが求められるでしょう。円滑な民泊運営を続けるために、宿泊客や近隣住民へ配慮した対策を講じる必要があります。

民泊のトラブル事例5選

ここでは、民泊のトラブル事例を5つ紹介します。どのトラブルも事態が悪化すると重大な損失につながります。

それでは、1つずつ解説します。

1. 夜間の騒音

建てられる場所に制限があるホテルや宿泊施設と異なり、民泊は一般住宅や閑静な住宅街で営業できます。そのため民泊では、以下のような状況がトラブルに発展することが多いです。

特に騒音は近隣からの苦情が多いため、騒音対策の徹底が必要です。騒音を放置していると、行政から営業停止処分が下される場合があります。苦情の連絡があった場合は、すみやかな謝罪対応や騒音対策の強化を心がけましょう。騒音には、以下のような対策が挙げられます。

さらに、宿泊客が集まりやすいリビングには注意書きを貼りましょう。海外宿泊客のために、文章だけではなくイラストでわかるようにするのがおすすめです。近隣住民の迷惑にならないように、騒音対策を講じることでトラブル防止に努めましょう。

2. ゴミ出しルールを守らない

宿泊客が決められた曜日や指定場所以外にゴミを出し続けてしまうと、近隣住民が悪臭や後片付けに悩まされてしまいます。民泊で出たゴミは家庭ごみではなく事業系廃棄物になるため、一般の集積場に出してしまうと不法投棄扱いとなります。

ルールを守らずに捨て続けていると、最悪のケースでは近隣住民とトラブルになり訴訟に発展する可能性があります。したがってゴミ出しマニュアルを作成し、捨てる曜日と分別手順を周知しましょう。ゴミの分別方法は、色分けやイラストを用いて説明するとわかりやすいです。

さらにマニュアルの理解を深めてもらうために、チェックインの際は「〇曜日に回収するため分別をお願いします」などと口頭でも伝えましょう。

3. 備品の破損・盗難

備品の破損は、宿泊客が誤って壊してしまうケースが多いです。一方で盗難は海外宿泊客に多く、アメニティと勘違いをして持ち帰ってしまいます。被害を防止するために、チェックインの際に持ち帰り可能なものを説明しましょう。以下の物品が、破損・盗難にあうケースが多いです。

民泊運営を行う際に破損や盗難があると想定し、必要最低限以外の物は置かないことをおすすめします。また客同士で盗難トラブルを防ぐために、金庫やロッカーを用意すると安全性が担保されやすいです。

もし運営者が盗難に遭ってしまったら、すみやかに警察に通報してください。備品の破損が起きた場合は、民泊保険会社に「どのように対応すべきか」相談しましょう。

4. 時間を守らない

チェックイン・チェックアウトの時間を守らないことで、大幅な予定変更が必要になります。特にチェックアウトの指定時間を過ぎてしまうと、業者が部屋に入れず未清掃のまま次の宿泊客を迎える事態になります。

チェックインの場合は、事前の連絡がないまま到着が遅れるケースがあります。「飛行機が遅れた」「観光地に長居してしまった」など、理由はさまざまです。他の宿泊客への影響を防ぐために、予約の段階で空港から民泊施設までの地図を送ってもらい、何時に到着するか確認しておきましょう。

誰にも会わずに宿泊客が施錠し退出できる家主不在型民泊は、チェックアウトの時間を守らないケースが多いです。宿泊客が居座り続けてしまうと、清掃会社などが部屋に入れません。

次の宿泊客の予約が入っている場合、未清掃の状態で案内する事態になってしまいます。チェックインの段階で、退室時間を必ず守るように説明しましょう。

5. 予約人数の虚偽

料金を浮かせるために、予約した人数以上で宿泊するケースがあります。チェックアウト後に運営者や清掃業者が、食器類やトイレットペーパーなどを使った形跡を見て気づく場合が多いです。

家主不在型の民泊の場合、運営者と宿泊客が一度も顔を合わせないパターンが多いです。そのため、人数で嘘をついてもバレないだろうという考えに至っていると想定できます。このような事態を防ぐために、ハウスルールに罰則などを明記しておきましょう。

実際に追加料金を請求するかは運営者の判断に委ねられていますが、違反をしたら厳しい対応をするという意思表示が大切です。

民泊のトラブル対策3選

ここで紹介する3つの対策を実行することで、トラブルが起きた場合に落ち着いて対処ができます。

それでは、1つずつ解説します。

1.多言語対応のハウスルールを作成する

外国人宿泊客にも伝わるように、日本語以外の言語に対応したハウスルールを作成しましょう。ハウスルールとは、施設の利用方法や禁止事項をまとめたものです。あらかじめ用意しておくことで、宿泊者がルールを理解しやすくなり、トラブル発生時の対応もスムーズになります。ハウスルールは、以下の言語へ翻訳しておくのがおすすめです。

1から多言語対応のハウスルールを作成するのは、運営者側に負担がかかります。例文のテンプレートを組み合わせて作るか、多言語対応のマニュアル作成が可能な業者を利用しましょう。業者に作成を頼む場合は、25,000〜40,000円程度かかります。

2. ハウスルールを細かく設定し口頭でも説明する

ハウスルールは、玄関に入ったところからチェックアウトまでの流れを細かく設定する必要があります。海外宿泊客に向けて、設備の使用方法を記載しても良いでしょう。

また、ルールをきちんと理解してもらうために口頭での説明がおすすめです。以下の内容を記載すると、充実したハウスルールになります。

ハウスルールは設備の使用案内や注意事項でも充分ですが、ウェルカムメッセージを記載することで宿泊客に対する感謝の気持ちが伝えられます。また、民泊周辺の観光スポットや飲食店の紹介があると喜ばれるでしょう。

3.民泊保険へ加入する

民泊保険は、民泊で発生するトラブルに対して補償されるサービスです。加入していない場合、買い替えや補償にかかる費用を運営者が負担することになります。補償対象となるトラブルには、以下のようなものがあります。

家を借りたり建てたりする場合は、原則火災保険への加入が必要です。「火災保険に入っていれば民泊保険は不要では?」と思われるかもしれません。しかし火災保険は「一般住宅」が補償の適用対象で「事業用住宅」である民泊は適用外になります。

トラブルが起きた場合の損害を最小限におさえられるよう、民泊保険への加入を検討しましょう。

民泊の保険について詳しく知りたい方は、関連記事「【解決策あり】民泊では住宅用火災保険は適用されない【おすすめ保険4選を紹介】」をあわせてご確認ください。

民泊トラブルの相談先3選

ここでは民泊でトラブルが起こった場合の相談先3つを紹介します。

各機関により対応可能な相談内容が異なるため、違いを明確にしておきましょう。

1. 民泊コールセンター

民泊コールセンターでは、住宅宿泊事業法や届出に関することのほか、トラブル相談を受け付けています。音声ガイドに従って操作しますが、迷った場合は4番を選びましょう。

対応時間平日9時~18時
電話番号0570-041-389
1番住宅宿泊事業法、または住宅宿泊事業の届出等について
2番住宅宿泊管理業、または住宅宿泊仲介業について
3番民泊制度運営システムの操作や入力について
4番住宅宿泊事業法に関する上記以外のお問い合わせ

引用元:民泊制度ポータルサイト「minpaku」|民泊制度コールセンターのご案内

コールセンターの対応時間内に電話するのが難しければ、お問い合わせフォームから連絡可能です。ただし、回答はメールではなく電話連絡で行われるため、応答できるようにしておきましょう。

2. 民泊民宿協会の取次サービス

民泊民宿協会の取次サービスは一般賛助会員に入会し、年会費33,000円を支払うことで受けられる民泊保険です。運営者に向けて民泊で起こりうるトラブルを、ワンストップで解消します。住宅宿泊事業法・国家戦略特区民泊・旅館業法民泊法、全ての施設に対応可能です。

24時間365日のコールセンターを完備しており、30分以内の駆けつける体制が整っているため、緊急でトラブルが発生した場合でも相談できます。補償サービスやサポートの流れは以下のとおりです。

民泊物件補償サービス(保険引受会社:三井住友海上火災保険(株))

補償内容トラブル事例
施設管理者賠償民泊用の看板が落下して通行人がケガをした
不動産損壊補償運営者が民泊用に持ち込んだ設備什器が盗難にあった
不動産修理費用リース契約済の高級家具を宿泊客が壊し、運営者が修理した
旅館宿泊者賠責宿泊客が備え付けのテレビや机を壊してしまった

参照元:一般社団法人民泊民宿協会│取次サービス

民泊物件緊急トラブルサポートサービス

(駆付け対応会社:MS&ADグランアシスタンス株式会社・以下MS&AD)

サポートの流れ
①苦情発生
②オペレーターによる苦情応対
③緊急対応が必要な場合:MS&ADが24時間以内に駆けつける            駆けつけた委員による一次対応            緊急性が高いと判断されたら警察・消防署への通報 緊急性が無い場合:MS&ADが管理業者へ対応指示
④緊急対応後はメールにて状況報告

参照元:一般社団法人民泊民宿協会│取次サービス

補償が受けられるかどうかの判断に迷った場合は、コールセンターに連絡しましょう。また緊急性の高いトラブルで駆けつけサービスを利用する場合は、別途出動費がかかります。

3. 弁護士

弁護士に相談すると、宿泊客の事故やトラブル対応に関するアドバイスがもらえます。また、民泊相談に特化した弁護士事務所の場合は、リーガルサポートサービスを実施していケースがあります。サポート内容の詳細は、以下のとおりです。

リモートでの解決が難しい場合は、弁護士が現場に出向いて直接対応します。初回相談は無料で、相場は月5~20万円程です。またZoomなどのオンライン相談やチャットによるやりとりも可能なため、緊急時にすぐ相談できます。

安全な民泊運営のためにトラブル対策をしっかり行いましょう

民泊は多くの人が行き来するためさまざまなトラブルがあると想定しておき、念入りな対策をしましょう。特に海外宿泊客は日本のルールに不慣れなため、きちんと伝えることが大切です。

ハウスルールや張り紙のような書面に加え、口頭で説明することでルールの周知につながります。それでもトラブルが起きた場合は、詳細な状況把握が大切です。その場で解決が見込めない場合は、早急に民泊コールセンターや弁護士に相談することで、安全な民泊運営を行いましょう。

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