「民泊を始めたいけど、何から手をつけたら良いのかわからない」
「法律の知識がなく、民泊を開業するのにハードルの高さを感じている」
「民泊運営に失敗して損をするのだけは避けたい」
民泊を始めたいと思っていても、どのような流れで開業すれば良いかわからない方は多いのではないでしょうか。民泊事業は将来性があり、不労所得を得たいという方にもおすすめで魅力的なビジネスです。
ただし、民泊を運営するには許可申請や届出が必須です。必要書類が多く、民泊の種類によって開業方法が異なるので、知識がないと営業開始までに時間がかかってしまいます。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
民泊の開業に不安がある方のために相談先も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
民泊とは宿泊施設として貸し出している住宅
民泊とは、宿泊施設として貸し出している住宅のことです。厚生労働省は、民泊サービスを「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供すること」と定義しています。
以下の3種類に分類され、それぞれ開業方法が異なります。
旅館業民泊は、旅館業法上の許可を取得し、簡易宿泊営業を行うタイプの民泊です。特区民泊の場合は、国家戦略特別区域法に基づいて民泊を運営します。新法民泊は、住宅宿泊事業法に基づき、住宅宿泊事業を行うのが特徴です。
2016年4月から民泊営業の規制が緩和され、さらに注目が高まっています。客室延床面積が33㎡以上必要という基準が緩和されたので、民泊営業のハードルが下がりました。
ただし、民泊を運営して宿泊料をもらうには、開業許可や届出が必須です。友人や知人を宿泊させるケースは適用外ですが、宿泊者を募集して継続的に営業するなら、申請を行う必要があります。
無許可あるいは届出なしで民泊を運営すると違法となり、懲役や罰金といった処罰の対象になります。民泊を運営して収入を得るには、正しい方法で開業許可あるいは届出を行うことが重要です。
民泊の始め方7ステップ
民泊は、以下の7ステップで開業できます。
手順ごとに、押さえておくべきポイントを解説します。スムーズに民泊運営を開始したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. エリアを選定する
民泊事業を成功させるには、エリア選定が重要です。観光名所や駅からの距離を考慮し、集客できそうなエリアを選びましょう。
需要が高いエリアを選定しないと、開業しても安定した収益が得られない可能性があるので要注意です。需要を調べる際は、以下のデータを確認するのがおすすめです。
また、地域の条例も事前に確認しましょう。土日・祝日しか民泊を運営できないなど、厳しく規制されている地域もあるので、エリアの選定は慎重に行うようにしてください。
2. 物件を探す
開業エリアを選定したら、民泊可能な物件を探します。物件探しは、不動産会社や民泊専門仲介業者に依頼するのが一般的です。ご自身で物件を探したい場合は、民泊専門のポータルサイトを利用しましょう。
空き家やマンションの使っていない部屋があるなら、民泊にも利用可能です。ただし、賃貸物件の場合は転貸が認められていないケースがあるので注意しましょう。
例えばマンションの一室を活用するなら、賃貸契約書に「転貸不可」という旨の記載があると民泊を運営できません。転貸可能であっても無断で民泊を運営すると、賃貸借契約が解除される可能性があります。
そのため、賃貸物件の利用を考えているなら、事前に大家さんから許可をもらいましょう。分譲マンションの場合は、管理組合からの許可が必要です。
また、大きな利益を狙うなら物件の立地も重要です。宿泊中に料理するゲストもいるため、スーパーから近い物件を選ぶなど、利便性も考えましょう。
ちなみに、自宅で民泊を行うのも有効な手段です。民泊運営のために物件を探す手間が省けるだけでなく、家賃などの維持費を抑えられます。
3. リノベーションする
民泊物件は、ゲストに魅力を感じてもらえるようにリノベーションするのがおすすめです。部屋の清潔感やおしゃれさは、ゲストが物件を選定する際の判断材料になります。
ゲストは民泊サイトに掲載された物件の写真を見て判断するため、明らかな劣化があると選んでもらえません。必要に応じて壁紙や床の張り替えなどを行い、内装を整えましょう。
運営している民泊を選んでもらうには、水回りの整備も重要です。特にトイレやお風呂などが汚れていると、ゲストからの評価が下がってしまいます。
民泊は海外の方の利用率が高いため、トイレが和式の場合は洋式にしましょう。資金に余裕があるなら、トイレとお風呂を別にするのが好ましいです。
また、民泊を運営するには自動火災報知機や誘導灯といった消防設備、Wi-Fiなどの通信設備も整える必要があります。安全面や衛生面はトラブルの防止にも関わるため、十分に確認した上でリノベーションしましょう。
4. 家具やアメニティを用意する
リノベーションが完了したら、家具やアメニティを用意します。コンセプトに合った家具やアメニティをそろえることで、統一感のある部屋になります。高級である必要はないですが、清潔感にはこだわりましょう。
民泊を運営する際は、ベッドやテーブルといった家具だけでなく、皿やタオルなども必要です。生活に必要な物品をそろえ、ゲストが快適に過ごせるようにしましょう。
家具や内装の選定が難しかったり、おしゃれな民泊を運営したいと考えていたりする方は、インテリアコーディネーターに依頼するのがおすすめです。費用はかかりますが、おしゃれな内装は目を引くため、ゲストから選んでもらいやすくなるでしょう。
5. 開業許可申請あるいは届出を行う
民泊物件の設備が整ったら、開業許可申請あるいは届出を行います。民泊は、大きく以下の3種類に分類でき、それぞれ申請方法が異なります。
ここでは、申請あるいは届出の方法を民泊の種類ごとに解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
旅館業民泊の場合
旅館業民泊を開業する際は、以下の手順で簡易宿所営業の許可を取得します。
事前相談を求めている自治体が多いので、基本的にはすぐに開業申請することはできません。事前相談では、民泊物件の所在地や図面だけでなく、建築基準法や消防法に適合しているかも確認されます。
マンションの一室を民泊にする場合は、転貸が禁止されていないか確認するため、マンション管理規約の提出も求められます。事前相談で保健所による確認が完了したら、許可申請が可能です。申請には、許可申請書と民泊の図面が必須です。
その他、必要書類がある場合は自治体から案内があります。申請書類は自治体によって異なるため、事前相談時に確認しておきましょう。
必要書類を提出し、申請が完了したら施設検査が実施されます。保健所の職員が民泊予定の物件に立ち入り、以下のような構造設備基準を満たしているか確認します。
項目 | 基準 |
延床面積 | 延床面積33㎡以上(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3㎡に当該宿泊者の数を乗じて得た面積以上) |
入浴施設 | 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有する(当該施設に隣接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除く) |
その他設備 | 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有する |
施設検査の結果、構造設備基準を満たしていると判断されたら営業の開始が可能です。申請から許可までの目安は数週間と言われているので、営業開始日を定める場合は余裕のあるスケジュールにしましょう。
ちなみに、開業許可を受けずに旅館業民泊を運営した場合は、旅館業法第10条に基づき6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が適用されます。
旅館業民泊について詳しく知りたい方は、関連記事「【注意】簡易宿所は民泊の運営形態の1つ!おすすめな3つのケースと申請の流れを解説」をあわせてご確認ください。
特区民泊の場合
特区民泊とは、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例が適用される形態の民泊です。都道府県知事などの特定認定を受けることで旅館業法の適用が除外されるため、旅館業民泊よりも参入しやすいです。
民泊の運営を認めている国家戦略特別区は、以下のとおりです。
国家戦略特別区で民泊を運営する場合は、事前相談を行った上で申請に進みましょう。消防法の設備基準については消防署、建築審査などその他の内容については保健所に相談します。
事前相談が完了したら、民泊の認定に必要な書類をそろえます。例えば、大阪府で特区民泊を開業するなら以下の書類が必要です。
引用元:大阪府|家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(いわゆる「特区民泊」)について
法人の場合は定款又は寄附行為と登記事項証明書、個人なら住民票の写しも提出しましょう。その他、民泊の運営方法や物件の状況によっては、追加の資料提出を求められるケースもあります。地域によって必要な書類が異なるため、事前に自治体に相談しましょう。
特区民泊について詳しく知りたい方は、関連記事「【簡単】特区民泊とは旅館業法の除外特例!6つの特徴と認定地域一覧・設備要件を解説」をあわせてご確認ください。
新法民泊の場合
新法民泊の場合は、民泊制度ポータルサイトあるいは保健所に届け出ることで運営を開始できます。
基本的に、1年間の宿泊日数が180日以内であれば新法民泊を運営可能です。ただし、自治体によっては金土日祝のみ営業可など、日数を制限しているところもあるため事前に確認しておきましょう。
また、新法民泊を運営する際は、以下の設備がそろっている必要があります。
特別な設備は不要なので、浴室やトイレはホストと共同でも問題ありません。そのため、空き家やマンションの一室を利用する場合でも開業しやすいでしょう。
個人で新法民泊を運営する場合の必要書類は、以下のとおりです。
引用元:民泊制度ポータルサイト|住宅宿泊事業者の届出に必要な情報、手続きについて
法人の場合は、以下の2点は不要です。
反対に法人は、以下の書類が必要になるので注意しましょう。
また、マンションの一室を民泊にする場合は、転貸が禁止されていないか確認するために、管理規約の提出も求められます。追加資料が必要になるケースもあるので、自治体の専門窓口に事前確認すると、スムーズに届出が完了するでしょう。
6. ウェルカムガイド(案内冊子)を作成する
民泊運営を開始する前には、 ウェルカムガイド(案内冊子)を作成しましょう。ウェルカムガイド(案内冊子)には、以下の内容を記載するのが一般的です。
民泊は海外の方も利用するので、ウェルカムガイド(案内冊子)は以下の言語に対応させましょう。
海外の方でも気持ち良く過ごせるように、文化の違いを理解した上でウェルカムガイドを作成するのが大切です。
ウェルカムガイドを作成しておくことで、ゲストが快適に過ごせるだけでなく、トラブルの防止にも役立ちます。例えば、土足禁止と記載しておけば、ゲストが土足で室内に入ることでカーペットなどが汚れるのを防止できるでしょう。
また、ウェルカムメッセージで感謝の気持ちを伝えると、ゲストに好印象を与えられるのでおすすめです。
7. 民泊サイトに登録する
最後に民泊サイトに登録すれば、運営開始の準備が整います。Airbnb(エアビーアンドビー)やSTAY JAPAN(ステイジャパン)などの民泊サイトに、以下のような物件情報を掲載しましょう。
写真や説明文は、民泊を選んでもらう際の判断材料になるため、魅力を感じてもらえるような内容にしましょう。
また、民泊は日本人よりも海外の方の利用率が高いため、日本語以外に以下の言語にも対応させるのが重要です。
翻訳ツールを使用すれば多言語に対応できますが、違和感のある文章になる可能性があります。海外の方にしっかり目を通してもらうためにも、公開前に翻訳会社などに依頼してネイティブチェックを入れましょう。
物件情報を入力し、民泊サイトに承認されれば予約が受けられる状態になります。開業申請や届出が完了したらすぐに営業できるように、準備を進めておきましょう。
民泊サイトについて詳しく知りたい方は、関連記事「【2023年最新】民泊向けOTAの6サイトを手数料で比較!特徴や集客のポイントを解説」をあわせてご確認ください。
民泊のメリット7選
ここでは、民泊を運営するメリットを紹介します。
民泊事業は、メリットが多い魅力的なビジネスです。それぞれ解説するので、民泊事業への参入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 不労所得が得られる
民泊事業では、運営代行を依頼すれば、不労所得モデルが作れます。運営代行業者に依頼し、売上の一部を報酬として支払うので、赤字になるリスクが低いことが魅力です。
運営代行業者には、以下のような業務を依頼できます。
民泊運営に関わるほとんどの業務を委託できるので、軌道に乗れば働かずに利益を得続けられます。ご自身の時間を割く必要がないので、本業とは別の収入源がほしいという方にも民泊運営はおすすめです。
2. 空き家・空き部屋が活用できる
空き家や空き部屋がある場合は、民泊物件として活用できます。空き家・空き部屋は使っていなくても維持費がかかるので、民泊に活用することで負担を軽減できる可能性があります。
多くのゲストに利用されるようになれば、利益も見込めるでしょう。また、所有している空き家や空き部屋を利用することで、物件を取得するための初期費用が抑えられるのも魅力です。
民泊の運営には以下の設備が必須ですが、一般的な住宅には備わっているので問題とはならないでしょう。
ただし、古民家など浴室やトイレなどがない場合は、新たに設置する必要があります。近隣の公衆浴場では、浴室の代わりにはならないので注意しましょう。
3. 別荘として利用できる
民泊は、別荘として利用することも可能です。ご自身で管理する場合は、定期的に設備の確認や消耗品の補充をする必要があるため、民泊物件に足を運ぶことになります。
予約が入っていなければ、そのまま宿泊できます。観光地に民泊物件がある場合は、別荘のように利用できるでしょう。
ちなみに、別荘を所有しているなら民泊として活用できる可能性があります。別荘には税金や光熱費の基本料金などの維持費がかかるため、民泊の宿泊費でまかなうのはおすすめです。維持費以上の利益も期待できるので、別荘があるなら民泊運営を考えてみてはいかがでしょうか。
別荘を使った民泊について詳しく知りたい方は、関連記事「【必見】貸別荘業で民泊運営をする3つのメリット!必要な許可や始める手順を解説」をあわせてご確認ください。
4. ゲストと交流できる
ゲストとの交流を通して、海外の文化に触れられるのも民泊運営の魅力です。初めは日本との文化の違いに戸惑うこともあるかと思いますが、交流を重ねることで知見が得られます。
日本には中国の方を中心として、さまざまな国から旅行者が入国します。民泊は日本人よりも外国の方が多く利用するので、各国の文化に触れる良い機会となるでしょう。
5. 語学力の向上につながる
民泊は、海外からの観光客が利用することが多いので、自分で運営することで語学力の向上に役立ちます。
ゲストとのやりとりは、基本的にチャットを利用します。対話するときのように即答する必要がなく、翻訳ツールで調べながら対応できるので、他言語に苦手意識のある方でもやり取りが可能です。
やり取りを繰り返していくうちに語学力の向上が図れるので、他言語を学びたいという方にも民泊運営はおすすめできます。
6. 将来性がある
民泊事業は、将来性のあるビジネスとして注目されています。コロナウイルスの影響で海外からの観光客が減りましたが、徐々に回復してきている状況です。日本政府観光局の推計では、2022年8月の日本への入国者数が前年同月の555.2%も増えているという結果が出ています。
海外の方に人気の観光スポット付近で民泊を運営すれば、訪日外国人数の増加に伴って売上が高まることが予想されます。今後はさらに観光客が急増する可能性があるので、今のうちに開業準備を始めておくのがおすすめです。
また、リモートワークの増加も民泊事業の発展を後押ししています。観光地でリモートワークをする「ワーケーション」を行う方が増加したので、日本人をターゲットに含めた民泊運営でも利益の拡大が目指せるでしょう。
7. 民泊物件として売却できる
事情により民泊の運営が難しくなった場合でも、比較的スムーズに物件を売却できます。なぜなら、民泊可能な物件は限られているため需要が高いからです。
さらに、民泊運営の許可や届出には手間がかかります。参入する際に物件の獲得が障壁になることも民泊物件は需要が高まりやすい理由です。
民泊として稼働していた物件であれば、買い手は譲り売り受けてすぐに運営できるため、メリットが大きいです。価値の高い物件として、売り手側に有利な条件で売却しやすいでしょう。
民泊のデメリット5選
ここでは、民泊のデメリットを紹介します。
民泊運営を始めてから後悔しないためにも、しっかり確認しておきましょう。
1. 初期費用・維持費がかかる
民泊の運営には初期費用や維持費がかかるので、資金を確保する必要があります。開業までには、以下のような費用がかかります。
特に、物件を借りたり購入したりする場合は、多額の費用がかかるでしょう。また、開業の申請あるいは届出の書類作成を行政書士に依頼すると、20万〜30万円必要になります。
無事に開業できたとしても、民泊を運営し続けるには以下のような費用も必要です。
さらに、新法民泊の場合は以下の条件に該当する場合、住宅宿泊管理業務を委託する必要があります。
開業だけでなく民泊の維持にも費用がかかるので、計画的な資金繰りが必須です。支出を計算したときに資金面に不安が残るなら、融資を受けて補填することも視野に入れましょう。
安定した収入が証明できれば、融資が受けられる可能性があります。融資が必要な場合は、日本政策金融公庫の制度を利用したり、金融機関に相談したりしてみてください。
民泊運営の費用について詳しく知りたい方は、関連記事「【保存版】民泊運営にかかる9つの費用!始め方を5ステップで解説」をあわせてご確認ください。
2. 民泊可能な物件が見つかりにくい
転貸できる物件数は限られているため、物件探しに手間取る可能性があります。例えば、一般住宅を扱う仲介業者に相談しても、民泊用途で使用する物件を紹介してもらえないことがあります。
なぜなら、仲介業者が提携している火災保険を民泊物件に適用できないケースがあるからです。そのため民泊可能な物件を探す際は、専門の仲介業者に依頼しましょう。また、民泊専門のポータルサイトを利用すれば、ご自身で物件を探すことが可能です。
民泊物件は数が限られているため、良い物件はすぐに借り手が決まってしまいます。複数の業者やサイトを利用し、チャンスを逃さないようにしましょう。
3. 開業許可の取得に手間がかかる
民泊を運営する際は、設備を整えたり申請に必要な書類をそろえたりする必要があるので、開業までに手間がかかります。
新法民泊に該当しない形態の場合は、すぐに申請ができず事前相談が必要です。保健所だけでなく、消防署にも相談する必要があります。
資金に余裕があり、必要書類をそろえる手間を軽減したいなら、行政書士に依頼するのも有効です。費用はかかりますが、個人で行うよりも早く申請が完了します。
ちなみに、開業の申請から許可が下りるまでに数週間かかると言われています。営業開始日を決める際は、必要書類をそろえる期間や申請から許可にかかる時間も考慮しましょう。
行政書士に依頼できる申請業務について詳しく知りたい方は、関連記事「【完全版】行政書士に代行依頼できる3つの民泊申請業務!費用や手続きを解説」をあわせてご確認ください。
4. 備品が破損する可能性がある
民泊を運営していると、食器類が割れたり家電が故障したりと、備品が破損するリスクがあります。備品の交換や修理の必要があるので、民泊運営を一時的に止めることもあるでしょう。
Airbnbなどの民泊サイトには、ゲストに対して補償を求められる制度がありますが、それだけでは安心できません。天災や劣化による破損などのリスクに対応していないため、カバーしきれない可能性があります。
また民泊の場合は、一般の火災保険が適用されないケースが多いため、専用の保険に加入するのがおすすめです。室内の破損だけでなく、ゲストや物件の所有者への賠償リスクなど、あらゆるリスクがカバーできる保険に入っておけば、安心して運営できるでしょう。
民泊の火災保険について詳しく知りたい方は、関連記事「【解決策あり】民泊では住宅用火災保険は適用されない【おすすめ保険4選を紹介】」をあわせてご確認ください。
5. トラブルに発展するリスクがある
民泊の設備が十分であったとしても、ゲストとトラブルになることがあります。例えば、以下のような事例が挙げられます。
また、近隣の住民から苦情が入るケースも。深夜に頻繁に出入りしたり騒音がしたりすると、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。
事態が悪化すると、管理会社から退去を命じられたり、行政から指導や営業停止命令を受けたりすることがあるので要注意です。トラブルを最小限に抑えたいなら、ウェルカムガイドに民泊を利用する際のルールを記載するなど、対策を講じましょう。
民泊を始める際の相談先
初めての民泊運営はわからないことが多く、1人で開業するのが難しいという方も多いのではないでしょうか。民泊の開業だけでなく、利益を上げるためにも知識を深める必要があるので、専門的知見がある方を頼るのがおすすめです。
民泊運営に関して抱えている悩みや問題によって、相談先が異なります。
民泊の開業申請をする場合は、保健所や消防署に相談する必要があります。民泊新法やそれに基づいた届出をするなら、自治体の専門窓口が利用可能です。
民泊に関するノウハウも含めた包括的なアドバイスがほしいなら、コンサルタントやオンラインサロンを利用するのがおすすめです。費用はかかりますが、1人で悩むよりも早く解決できるだけでなく、民泊運営に失敗しないための知見が得られます。
開業資料の用意については行政書士、部屋のレイアウトに関することはインテリアデザイナーに相談可能です。
資金に余裕があり、事前に幅広いトラブルに備えたいなら、弁護士に相談するのも良いでしょう。弁護士に相談すれば、トラブルの事例や予防法を法律のプロの目線からアドバイスしてもらえます。
正しい民泊の始め方を押さえて営業を開始しよう
民泊を開業する際は、必要書類をそろえたり物件をリノベーションしたりする必要があります。民泊の種類によって開業方法が異なるので、正しい知識がないと営業開始までに時間がかかってしまいます。
保健所や消防署に相談し、必要書類や設備について事前に確認しましょう。また、民泊に特化したコンサルタントやオンラインサロンを利用すれば、運営者目線でのアドバイスが受けられます。
1人での開業が難しい場合でも、知見のある人に相談することでハードルが下がります。民泊事業は将来性のあるビジネスなので、早めの参入を検討してみてはいかがでしょうか。
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