「民泊に興味があるけど、初心者なので副業から始めたい」
「副業で始めるなら賃貸経営より民泊のほうがリスクが少ないって本当?」
「会社に民泊運営の副業がバレないか不安」
新型コロナウイルス感染症の影響で一度は勢いが衰えた民泊ビジネスですが、令和4年10月に水際対策が緩和されたことをきっかけに、外国人観光客の大幅な増加が期待されています。そのため、稼げる不動産投資として再び注目を集めています。今後の需要を見越して、今のうちから参入を考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、次の内容を民泊初心者にもわかりやすく紹介します。
副業で民泊を行うリスクや注意点も理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
民泊運営で収入を得る仕組みを30秒でサクッと解説
民泊とは、個人が所有する空き家や一部の部屋を宿泊場所としてゲストに利用してもらい、代金を頂くビジネスです。宿泊料から賃料や清掃料などの経費を差し引いた額が、最終的な利益になります。
「賃貸経営とどう違うの?」と疑問に思うかもしれませんが、事業形態などに以下のような違いがあります。
民泊 | 賃貸経営 | |
事業形態 | 旅館業(住宅宿泊事業) | 不動産賃貸業 |
収益 | 宿泊料 | 居住者が支払う賃料 |
行政の許可 | 必要 | 不要 |
1日単位で見ると、多くのケースで賃料より宿泊料のほうが高額です。そのため利用者が途切れない状態を維持できれば、民泊のほうが賃貸経営より多くの利益を出せます。部屋のメンテナンスについては、運用代行を利用すればどちらも負担を抑えながら運営できます。
民泊を副業で運営するメリット5選
結論からいうと、民泊事業に参入するなら副業から小さく始めることをおすすめします。民泊を副業で始めるメリットは、以下の5つです。
ここでは、それぞれのメリットを詳しく紹介します。
1. 低リスクで始められる
「民泊に興味があるけど、失敗したらどうしよう」と悩んでいる方は、副業として始めることでリスクヘッジになります。副業の魅力は、本業で安定した収入を確保したうえで、収入の柱を増やせる点です。
本業の収入があれば、たとえ民泊で収益がでなくても生活できます。民泊事業から撤退する際も、完全に職を失う心配がありません。会社を辞めた場合と比べて失敗したときのダメージが小さいため、思い切って挑戦しやすいでしょう。
2. 初めてでも参入しやすい
民泊を始めるのに、特別な資格は必要ありません。「難しそう」というイメージがあるかもしれませんが、参考にできる情報は多いです。民泊運営は先駆者が多く、インターネット上にも、さまざまなノウハウや体験談が出回っています。
民泊運営者向けのセミナーやオンラインサロンもあり、学びや仲間が得られる環境が整っているため、初心者でも参入しやすいでしょう。
3. 空き家を資産活用できる
民泊は、眠っている空き家の活用手段としても注目されています。空き家は所有しているだけで、管理費や税金などの維持費がかかります。物件の状態や立地によっては売り手や買い手がつきづらく、解体費用も高額なため持て余している方もいるでしょう。
そんな物件こそ、民泊なら需要があるかもしれません。たとえば築年数の古い物件は、住居としては需要がなくても、外国人観光客の宿泊施設としては人気があります。利益が出れば、空き家の維持費にも充てられるでしょう。
4. 本業以外の人との関わりが増える
民泊にはさまざまな方が訪れるため、本業やプライベート以外でも人と関わる機会が増えます。たとえば、民泊の主な利用者は外国人観光客です。日本にいながら「異文化に触れたい」「海外の方と交流したい」と考えている方には大きなメリットといえるでしょう。
<h3>5. 軌道に乗れば不労所得につなげられる</h3>
民泊は部屋の清掃や備品の管理に手間がかかるため、不労所得にはならないと思われるのではないでしょうか。実は民泊にも運営の一部、あるいはすべてを委託できるサービスが存在します。委託できる業務には、以下のようなものがあります。
時間を取られがちな業務を外注すれば、手間をかけずに収益があがる仕組みが作れます。
民泊の始め方やメリットについて詳しく知りたい方は、関連記事「【完全版】民泊の始め方7ステップ!メリット7選・デメリット5選を解説」をあわせてご確認ください。
民泊を副業で運営するデメリット4選
「稼げる副業」として注目を集めている民泊ですが、メリットばかりではありません。民泊を副業で始めるデメリットは、以下のとおりです。
それぞれのデメリットを詳しくみてみましょう。
1. 初期投資がかかる
民泊運営には、少なく見積もっても50万円~100万円程度の初期費用がかかります。物件の規模によってはさらに高額な資金が必要です。まとまった費用がすぐに用意できない場合は、運営を開始するまでに時間がかかるでしょう。
解決策の1つとして、費用が足りない場合は融資による資金調達が可能です。安定した収入があるサラリーマンであれば融資の審査が通りやすいため、初期費用を全額自力で用意できなくても参入できる可能性が高いです。
2. 収入が安定しない
毎月一定の収入が得られる賃貸経営とは異なり、民泊は収入が安定しづらい傾向があります。なぜなら、宿泊事業には繁忙期と閑散期があり、民泊も例外ではないからです。利用客の増減が収入に直結するため、赤字になる月があるかもしれません。
ただ、繁忙期と閑散期は予想が立てやすいです。通常よりも収入が見込めない期間は本業の収入でカバーすれば、資金不足のリスクを回避できるでしょう。
民泊の収支シミュレーションをしたい方は、関連記事「【初心者必見】Airbnbは儲からないと言われる3つの理由!民泊で利益を上げるポイントや収支シミュレーションを解説」をあわせてご確認ください。
3. 運営の手間やコストがかかる
民泊運営には、次のような手間がかかります。
副業の場合は、上記のような運営対応に追われて、本業やプライベートに影響が出てしまうかもしれません。
また、設備や備品が破損した場合の修理費やクリーニング代などのほか、物件を維持するランニングコストがかかる点にも注意しましょう。運営の手間に関しては、運用代行サービスを利用すれば軽減できます。その場合はコスト負担がさらに増えるので、収支をしっかりと把握した上で利用しましょう。
民泊運営のコストについて詳しく知りたい方は、関連記事「【保存版】民泊運営にかかる9つの費用!始め方を5ステップで解説」をあわせてご確認ください。
4. 社会情勢に左右されやすい
宿泊業は、社会情勢に左右されやすい点もデメリットです。最近では新型コロナウイルス感染症の流行によって利用者が激減し、民泊を含む多くの宿泊業が打撃を受けました。
また、今後も法律や条例の改正によって、営業に影響が出る可能性も考えられます。民泊は従業員がいる旅館やホテルに比べて撤退しやすいので、引き際も常に意識しておくと良いでしょう。
民泊を副業で始める前に知っておきたい3つの注意点
ここからは、民泊を始める前に知っておきたい注意点を3つ紹介します。気をつけるべきポイントは、以下のとおりです。
動き出してから「しまった!」とならないように、今すぐチェックしておきましょう。
1. 会社に確認する
「会社に副業を知られたくない」という方もいるかもしれませんが、事前に確認しておくと安心です。禁止されているにも関わらず副業を行っていることがバレた場合、減給や出勤停止といった厳しいペナルティが課される会社もあります。
多くの会社で禁止されているのは、ほかの法人に雇用される副業です。そのため、民泊の場合は許可されるケースが多いでしょう。
2. 各自治体への届出が必須
民泊を運営する際は、各自治体への届出が必須です。無許可のまま運営を始めてしまうと、違法行為となるので注意しましょう。民泊新法(住宅宿泊事業法)に則した営業内容であれば、形式的な届出をするだけで合法的に民泊が始められます。
もし違法運営が発覚した場合は、最大6ヵ月以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金が科される可能性があります。
3. 自治体によって民泊運営のルールが異なる
自治体によっては、法律とは別に独自の民泊運営ルールが設けられている場合があります。たとえば東京都港区では、家主不在型で民泊を運営する場合のルールとして、制限区域と区域内における営業可能時間を定めています。
運営に大きく影響する条件を設けている自治体もあるため、物件選びの際はエリアを管轄する自治体のルールも把握しておきましょう。
副業での民泊投資で失敗しないコツ
副業の民泊投資で失敗したくないなら、準備段階で以下のポイントを意識しましょう。
いずれも重要なポイントなので、以下で詳しく解説します。
1. 事業収支計画を立てる
民泊投資を始める前に、事業収支計画を立てておきましょう。事業収支計画とは、事業における収入と支出から、おおよその利益を予測する書類です。
固定費や変動費などの支出項目を洗い出して金額を計算しておくことで、どのくらいの稼働でどの程度の利益が見込めるかといった予測が立てやすくなります。ちなみに、民泊の利益は次のように求められます。
利益=(客室単価-仲介サイトの手数料)×宿泊日数-支出
また、主な支出は次のとおりです。
事業収支計画では、収入は予想よりも低めに、支出は高めに設定するのがコツです。楽観性を捨てることで、見通しの甘さによる失敗を回避できます。
2. 物件選びにこだわる
副業で民泊を始める際は、物件選びを慎重に行いましょう。民泊運営を黒字にできるかは、物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。「ニーズがあるのか」「どれくらいの宿泊客が見込めるのか」を精査しましょう。
人気のエリアは稼働率が高い傾向がありますが、その分だけ賃料が高くライバルも多いです。集客見込みと賃料のバランスを見極めて、利益が出そうな物件を狙いましょう。
ホテル街や墓地の横などの物件は、住居としては悪条件でも民泊なら不利にならないケースがあります。訳あり物件は賃料が安い傾向にあるので、狙い目といえるでしょう。
ただし、民泊可能な賃貸物件はそもそも数が少ないため、理想の物件に出会うためには根気が必要です。物件選びの労力を減らしたいなら、民泊可能物件を専門に仲介している業者もいるので、利用を検討してみると良いでしょう。
民泊投資は副業で小さく始めるのがおすすめ
民泊投資は副業で小さく始めることで、経済的なリスクを軽減できます。民泊は、売却や賃貸化が難しい空き家の資産運用や、不労所得の収入源としても注目を集めています。主な利用者は外国人観光客なので、運営スタイルによっては「日本にいながら異文化交流が楽しめる」のも魅力です。
副業として始める場合は、事前に会社に確認しておきましょう。各自治体への届出が必要な点や、自治体によってルールが異なる点にも注意が必要です。民泊運営は先行事例が多く、十分な情報が得られます。専門家やオンラインサロンなども活用しながら、副業から始めてみてはいかがでしょうか。
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